一角獣は夜に啼く

ただの日記です。

思ってることとか考えたこととか適当に書きます。 主にソフトウェア開発の話題を扱う 「ひだまりソケットは壊れない」 というブログもやってます。

読んだ: 死神の精度 / 伊坂幸太郎 著

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

俺が仕事をすると、いつも降るんだ

死神は雨とともに現れる——彼の7日間の調査で対象者の生死が決まる。様々なスタイルで語られる6人の人生。人気作家の傑作短篇集

文春文庫『死神の精度』伊坂幸太郎 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS

知人のお気に入りの本ということでお薦めしてもらって読みました。

主人公は死神の千葉さん。 死神による死の候補者を 7 日間調査し、候補者に対する死が 「可」 であるか 「見送り」 であるかを判断するのが千葉さんの仕事であり、6 人の候補者に対する千葉さんの調査が本書の内容となっている。 すなわち、6 本の短編からなる小説である。

死神による調査といっても遠い世界から眺めるというようなものではなく、人間の姿になって対象者と直接会話したりすることで調査を行う。 各短編には、それぞれミステリーっぽさだったり恋愛だったり、任侠ものだったりといった人間ドラマがあってそれだけでも面白いと思うのだけれど、さらにそこに死神である千葉さんが加わることでコミカルさも加わって、非常に面白く新鮮に感じた。 死神による死、ということで、それぞれの登場人物の死生観が描かれているのも興味深いところ。

あと、各短編の間に趣深い関連があったりして、「なるほどー」 と感心させられた。

人は誰もがいつか死ぬ。 それが早いか遅いかの違いだけだ。