一角獣は夜に啼く

ただの日記です。

思ってることとか考えたこととか適当に書きます。 主にソフトウェア開発の話題を扱う 「ひだまりソケットは壊れない」 というブログもやってます。

読んだ : トラスト・ファクター 最強の組織をつくる新しいマネジメント

前に読んだ 『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』 に続き、社長のおすすめ書籍第 2 弾。 こちらは 『信頼が大事』 ということを主題にしている。

TRUST FACTOR トラスト・ファクター~最強の組織をつくる新しいマネジメント

TRUST FACTOR トラスト・ファクター~最強の組織をつくる新しいマネジメント

『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』 については下記記事に書いた。

vividcode.hatenablog.com

内容や感想

本書の内容は神経科学や経済学 (それらを融合させた神経経済学) 的な知見をもとに書かれている。 オキシトシンという物質により、他者を信頼して協力するという行動が促進され、最終的に業績に結び付く、という 「文化と業績モデル」 (下図; 本書より) がまず基礎にある。 このモデルにおいて業績向上の出発点となるオキシトシン分泌が促されるような組織文化 (信頼の組織文化) をいかにして設計するか、というのが本書の主題である。

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OXYTOCIN 因子について

信頼の文化を築くための 8 つの因子は下記。

  • オベーション (Ovation) : 同僚の成果を称賛する
  • 期待 (eXpectation)
  • 委任 (Yield)
  • 移譲 (Transfer)
  • オープン化 (Openness)
  • 思いやり (Caring)
  • 投資 (Invest)
  • 自然体 (Natural)

頭文字をとって 「OXYTOCIN」 因子と呼んでいるとのこと。 実際に組織文化を変更していくにあたっては、成果指標を定め、測定し、介入する因子を定めて期間を定めてポリシーの変更を適用して、結果を測定する、という形で少しずつ着実に進めていく。

オベーション (称賛・表彰みたいなの) について言えば、ベストプラクティスを語る場になるという点で同僚同士の情報共有が活発になったり、自分自身やチームのために頑張ろうという気持ちになるという効果があるらしい。 結構やり方次第な気はする。 あと課題の達成について言及すべきで、人間性への言及の場合はストレスになりえるとのこと。 (常に素晴らしい人間でいる人は居ないのでストレスになる、らしい。)

オベーションでの金銭的報酬は、外発的動機付けになり得て良くないとのこと。 せやな。

期待については、ストレスとの関係が書かれていた。 ストレスには 2 種類あり、良い効果のないストレスもあるが、一方で挑戦的なストレスもある。 努力すれば達成できることが見込めるような課題への挑戦などは良いストレスで、人をフロー状態に導き高い集中力を発揮させる。 そのような状態になるような目標を設定できると良い。 具体的で検証可能であるべき。 (これがなかなか難しい……。) チームで共有することでチーム内での協力がされやすくなる。

逆に、働きすぎなどの悪いストレスがかかっている状態になっている人が居たら積極的に介入していくべし。

ゲーミフィケーションの話もあったけどなかなか難しいところ。

委任については、ばらつきと淘汰を前提とした進化のプロセスである、と書かれているのが印象的だった。 仕事を任せる以上は仕事の進め方や成果について多様性やばらつきは当然出てくるが、それ自体は許容し、「オベーション」 によって淘汰を行うということ。 さらに、仕事の進め方だけでなく働き方や仕事の設計も含めて自己決定できる状態にあると、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌が抑制されて健康に良く、パフォーマンスも向上する。 そういう状態を目指して 「移譲」 を行っていく。

委任や移譲では、期待による目標設定も大事。 自分はマイクロマネジメントとかはないと思うけど逆に放任しがちな気がするので目標のすり合わせとかをすることを意識してる。 (できてはない。)

オープン化については、情報公開はストレス軽減につながる、という話。 よく言われるように、人は不確実なものに対して強い不安感を覚えるものなので、業績や事業計画、個々人の業績評価の分布なども含め、共有できるものについては共有した方が良い。 一方でオープン化とプライバシーのバランスも大事で、例えば個々人の業績評価をそのまま公開すると本人が屈辱を感じるとか周りからの反感を買うなどで良くない。 組織での分布さえわかっていれば自分の立ち位置がわかるのでそれで充分。 うちのチームでも 「自分が組織の中でどういう立ち位置なのかわからない」 という声があるので、何かしら分布みたいなのは出せると良さそう。

思いやりについては、思いやりを持って人と接することで組織内での協力が活性化されるとか、オキシトシンの分泌が促されて共感が強くなり、倫理観が強くなるので規則を減らせたりするらしい。 人が人と社会を作っていくうえで大事。 リーダーの地位になるとテストステロンが分泌されやすくなるので、リーダーみたいな人は一層おもいやりを意識する必要がある。

「投資」 というのは、『自発的に働く従業員が仕事や生活面で様々な目標を持っていると認識し、それに応えること』 らしい。 仕事で高い成果を出すには、仕事の技能以外も重要であるため、全人的な成長が仕事の成果にもつながる、とのこと。 職業的な成長、個人的な成長 (家族とか生活面っぽい)、精神面の成長、という観点がある。 面白い投資としては 「睡眠への投資」 (昼寝スペースを職場に用意する、など) というのも紹介されていた。

OXYTOCIN 因子の最後は 「自然体」。 飾らず、ミスを隠さない。 人に敬意をはらい話を聞く、みたいなの。

目標 × 信頼 = 喜び

企業の目的は利益をあげることではなくて、顧客や従業員、さらには社会の人々の生活を向上させること。 人が食い扶持を得るために生きているわけではないように、企業も儲けることが目的ではない。

信頼の文化のある組織で、仕事の目標が明確になっていると、仕事の中で喜びが得られる。 そのために目標をストーリーとして組織全体に浸透させることが重要。

信頼の文化の効果

最後に、信頼度の高い文化を作ることで、生産性の向上や離職率の低下、病欠日数の低下といった効果があり、業績向上に寄与する、ということが説明される。

NETFLIX の最強人事戦略』 を読んで

最近 『NETFLIX の最強人事戦略』 を読んだのだけど、そっちでは 「とにかく業績を追うことを考える」 「従業員の満足度を高めるためのイベントやオフサイトミーティングみたいなものは不要」 「エンゲージメントやエンパワメントという言葉が嫌い」 ということが書かれていて、一見すると本書の内容と対立するように感じる。 だけど実際には、同じようなことを言ってる部分も結構ある。 例えば NETFLIX では徹底的に正直であることを求めているが、それは本書でいう信頼につながることだと思う。

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

とはいえ、本書では離職率の低下でトレーニングコストなどを下げられると言っているのに対して、『NETFLIX の最強人事戦略』 では離職率を指標にすべきではない、ということを言っていて、やはり対立する部分もいろいろある。

本書も従業員の満足度を上げることを目的にしているわけではなくて最終的に業績につながる取り組みをしていく、という話なので、目指す方向は一緒のはずではあるのだけど、中間の指標をどう置くかやどこに重点を置くかで取り組みも変わってくるのだろう。 (本書はどちらかというと仕事における幸せなどの内面的な部分を重視していて、『NETFLIX の最強人事戦略』 は業績を重視している。) バランスを取りながらいい部分をそれぞれ取り込んでいくのが良さそう。

読んだ : ロビイングのバイブル

『ロビイングのバイブル』 読み終わった。 総合 PR 会社のベクトルによる書籍。

本書は PR 会社による書籍なので、本書そのものが 「ロビー活動というものが大事であることを世の中に伝える」 というある種のロビー活動の一環なのだろうと思うが、ロビー活動について最初のとっかかりとしては読みやすい本だと思う。

ロビイングのバイブル

ロビイングのバイブル

  • 作者: 株式会社ベクトルパブリック・アフェアーズ事業部,藤井敏彦,岩本隆
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2016/08/09
  • メディア: 単行本
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「ロビー」 と聞くと、自社への利益誘導を目的として密室で行われるものである、というような悪い印象を抱きがちだけど、現代のロビー活動はもっと公益性を持ったもので、世の中を良くしていくために社会を動かすものである、ということが語られる。 新しいロビー活動は 『パブリックアフェアーズ』 と呼ばれ、これまでのロビー活動に公正性と透明性が加えられたものらしい。 世の中を良い方向に動かすという意味で PR (パブリックリレーション) も大事で、メディアを通じて問題提起することや公開さえた場で議論していき、世論形成していく。

そのために重要なのが 理念を打ち出す ということで、社会がどうあるべきかを考え、そのために必要な法整備やルール作りといったことをする。

企業の視点では、ロビー活動というのは事業環境を整備するために重要である。 事業に関連する規制やルールがある場合に (もちろんそれが合理的であればそれに則る必要があるけれど)、それが古い基準であったり時代にそぐわないものであったりしたらそれを変えていく必要がある。 そのためにロビー活動がある。 単にルールに従うというだけではなく、ルールを作るという意識が大事 *1。 また、ロビイストを通じて世の中の流れを押さえるというような事例も紹介されていた。

実際のところ、現代社会は新しいものがたくさん世の中に出てくるので、法律が古いままでは社会の進歩を阻害したりすることが多くあると思う。 そういう意味ではロビー活動も大事だよなー、と感じた。 一方で本書に出てくる事例を見ていると、公益性というよりも利益誘導ぽいものもあるよなー、というのをちょっと感じたりした。 (公益性が高そうな事例ももちろんあるのだけど。)

バイブルというほどのものかはわからないけれど、パブリックアフェアーズと呼ばれるロビー活動について知らなかった身としてはいろいろと学ぶことの多い本であった。 事業を推進するために社会環境に課題がある場合にはロビー活動によって解決していくのも一つの手段ということを頭の中に入れておきたい。

*1:これは別にロビー活動に限らず、あらゆる場面でそうだと思う。

2018 年 秋アニメ 見始めてる #日記 #アニメ

最近病床に伏せっているからかアニメを見る数が増えている。 この数クールは 『ダリフラ』 とか 『シュタゲ ゼロ』 とか物語性の高い作品を見ることが多かったけど、今期は今のところえっちな作品しか見てない気がする。

最初に見たのは 『抱かれたい男 1 位に脅されています。』 (だかいち)。 俳優同士の BL 作品。 主人公 (?) のたかとさんのプライドの高さと東谷くんの子犬かわいい感じなのに強引なところのギャップ萌えなどが魅力。 東谷くんの強引な攻めがえっちだった。 たかとさんが 「プライベートでは喰われても、仕事では喰われてたまるか」 みたいな謎のプライドを見せてくるところがよい。 今後関係性がどう変わっていくのかとかが気になる。

こないだ僧侶枠という概念を教えてもらったので 『終電後、カプセルホテルで、上司に微熱伝わる夜。』 (終カプ) も見てる。 僧侶枠というのは 『僧侶と交わる色欲の夜に…』 から始まった ComicFesta のアニメ作品群を指すらしい。 初めて僧侶枠の作品を見たけど画面全体が白い光になるぐらいの過激さでえっちだった。 カプセルホテルなのに自分の部屋 (?) に他の人が寝ていることがあるのかとか、人が 2 人も入れるのか、とかいろいろ思うところはある。 2 話以降どう展開していくのか気になる。

それから 『CONCEPTION』。 異世界を救うために 『愛好の儀』 という名の性交を行う話らしい。 えっちだった。

そして 『閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-』。 1 期とは世界観が変わった気がする? (あんまり覚えてない。) 相変わらずの爆乳ハイパーバトルでえっちだった。 クリスマスもやしケーキが泣ける。

ゴールデンカムイ』 の 2 期も見てる。 江渡貝くんの作品がえっちすぎた。 こういう感じで職人を極めるみたいな人よいよね。

えっちじゃない作品としては 『ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士』 とか 『学園 BASARA』 を見た。 『ユリシーズ』 は 1 話を見ただけだと展開についていけなかったけど、面白そうではある。 2 話以降も楽しみ。 『学園 BASARA』 は 『BASARA』 を知らない人にはちょっと難しかったので 2 話以降は見ない気がする。

『技術書典 5』 に行ってきた

techbookfest.org

初めて 『技術書典』 に参加してきた。

技術書に限らず同人誌即売会的なものに参加したのが初めてだったので、どきどき、って感じだった。
戦利品はこちら。

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釘宮さんの本Android Jetpack の活用方法を学んだり、へんてこさんの本でシェーダを学んだりするぞー、という気持ち。
最近分割キーボードに興味があるので自作キーボードの世界にも入ってみる。

東芝の dynabook VZ82/FL を買った

家用のモバイルノート PC を買いたい と言っていたのだけど、結局、東芝の dyanbook VZ82/FL を購入した。

購入した製品

toshibadirect.jp

これを購入した。

こういう感じで、お値段はなんと 163,944 円! お安い!

ほかの候補について

お店に見に行ったところ、やはり光沢液晶は目に優しくなくて候補外となって、候補の中だと dynabook ぐらいしかないかなぁ、という感じになった。 代わりに候補外でもいくつか良かったものを見つけたりはした。

  • ASUS Zenbook UX430UN-8550 : 結構良かった。 税別 138,360 円と値段もかなり手ごろだった。 電池の持続時間が他の候補と比べてちょっと短い。
  • VAIO S11 や S13 はもともとスペックがそんな高くないという認識で候補に入れてなかったのだけど、意外と良いスペックだったということがわかってこれも候補に入れた。 ただ値段は高い。

ディスプレイがタッチパネルになっているのは dynabook しかなくて、値段とタッチパネルの有無あたりで検討した結果、dynabook が一番よかろう、ということで dynabook を購入した。

dynabook VZ82/FL を買って

個人的には買って良かった。

Windows Hello が良い

dynabook VZ82/FL は Windows Hello 対応機で、顔認識や指紋認証でログインできるようになっている。 私にとっては初めての Windows Hello 体験。 これが思ってた以上に良くて、Windows PC を起動したりスリープから復帰したりすると、自動的にカメラと赤外線センサーが動いて、顔認識を始めてくれる。 PC の前に居たら勝手に顔認識をしてくれてログインできる。 単にそれだけではあるのだけど、体験としては結構良い。

指紋センサーがタッチパッド上にあるのは 「なんでや……!」 って気持ちにはなるけど、実際に使ってみてて気になるかというと全然気にはならない。

ファンの音

CPU がちょっとでも動いているとわりと温度が上がるので、ファンも結構頑張って回ってくれる。 静けさを求めてるとちょっとうるさく感じる気はする。 とはいえ最近の薄いモバイル PC は大体こんなもんという気もする。

ディスプレイ

輝度を落として全画面真っ白にするとわかりやすいのだけど、ちょっとぎらつき? を感じる。 人によると思うけど、長時間このディスプレイを見続けるのは個人的にはしんどい。 普段は外部ディスプレイを使ってるのでそこまで気にはしないのだけど。

タッチディスプレイになっていて、タブレットモードでも使用できるのは個人的には嬉しい。 (電車の中で立って使うときとか。)

ペンでお絵かきできる

ペンが付属しているのでお絵かきしたりできる。 筆圧 2048 段階だし、ちょっと遊ぶ分には十分という感じ。

その他基本的な性能

デスクトップ用 CPU と比べちゃうと非力ではあるけど、薄型のモバイル PC としては十分な CPU なので、開発等に使うにもさほど困りはしない。 Android の公式エミュレータ (Hyper-V 版) もいい感じに動いてくれる。

ちょっと気になるのは、スリープからの復帰がやや遅いこと。 ログイン画面が表示されるまで 10 秒ぐらいかかる。 設定で高速化できるんかな……。

おわり

というわけで、新 PC として dynabook VZ82/FL を購入した。

1 kg そこそこで 10 時間以上のバッテリーのもちで、スペックもそこそこ良くてタッチパネル付き! という PC の中では、本製品が現状では一番良いのではないかと思う。 かなりバランスは良いし、万人に薦められる PC だと感じた。 唯一の欠点はディスプレイのぎらつきで、外部ディスプレイを使わない人にはちょっとお薦めできないかもしれない。 それ以外はすべて満足している。