一角獣は夜に啼く

ただの日記です。

思ってることとか考えたこととか適当に書きます。 主にソフトウェア開発の話題を扱う 「ひだまりソケットは壊れない」 というブログもやってます。

読んだ : ロビイングのバイブル

『ロビイングのバイブル』 読み終わった。 総合 PR 会社のベクトルによる書籍。

本書は PR 会社による書籍なので、本書そのものが 「ロビー活動というものが大事であることを世の中に伝える」 というある種のロビー活動の一環なのだろうと思うが、ロビー活動について最初のとっかかりとしては読みやすい本だと思う。

ロビイングのバイブル

ロビイングのバイブル

  • 作者: 株式会社ベクトルパブリック・アフェアーズ事業部,藤井敏彦,岩本隆
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2016/08/09
  • メディア: 単行本
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「ロビー」 と聞くと、自社への利益誘導を目的として密室で行われるものである、というような悪い印象を抱きがちだけど、現代のロビー活動はもっと公益性を持ったもので、世の中を良くしていくために社会を動かすものである、ということが語られる。 新しいロビー活動は 『パブリックアフェアーズ』 と呼ばれ、これまでのロビー活動に公正性と透明性が加えられたものらしい。 世の中を良い方向に動かすという意味で PR (パブリックリレーション) も大事で、メディアを通じて問題提起することや公開さえた場で議論していき、世論形成していく。

そのために重要なのが 理念を打ち出す ということで、社会がどうあるべきかを考え、そのために必要な法整備やルール作りといったことをする。

企業の視点では、ロビー活動というのは事業環境を整備するために重要である。 事業に関連する規制やルールがある場合に (もちろんそれが合理的であればそれに則る必要があるけれど)、それが古い基準であったり時代にそぐわないものであったりしたらそれを変えていく必要がある。 そのためにロビー活動がある。 単にルールに従うというだけではなく、ルールを作るという意識が大事 *1。 また、ロビイストを通じて世の中の流れを押さえるというような事例も紹介されていた。

実際のところ、現代社会は新しいものがたくさん世の中に出てくるので、法律が古いままでは社会の進歩を阻害したりすることが多くあると思う。 そういう意味ではロビー活動も大事だよなー、と感じた。 一方で本書に出てくる事例を見ていると、公益性というよりも利益誘導ぽいものもあるよなー、というのをちょっと感じたりした。 (公益性が高そうな事例ももちろんあるのだけど。)

バイブルというほどのものかはわからないけれど、パブリックアフェアーズと呼ばれるロビー活動について知らなかった身としてはいろいろと学ぶことの多い本であった。 事業を推進するために社会環境に課題がある場合にはロビー活動によって解決していくのも一つの手段ということを頭の中に入れておきたい。

*1:これは別にロビー活動に限らず、あらゆる場面でそうだと思う。